40代女性にとって「働き方改革」はプラスになる?

自分らしい働き方を求めている40代女性にとって「働き方改革関連法」は、プラスになる可能性があります。

今のところ全ての企業がこの法案の通りに実施しているというわけではありませんが、今後の働き方の流れとして知っておきましょう。

働き方改革関連法とは?

2019年4月1日から適用された「働き方改革関連法」は、2018年6月29日に成立した「働き方改革法案」を改正したものです。

少子高齢化社会の現代日本では、労働人口が減少の一途をたどっていますが、「働き方改革関連法」は、女性の職場進出や高齢者の活躍を後押しして生産力を上げるためにも、ひとりひとりのニーズに合わせた働き方が可能となるような環境を整備する目的で施行されました。

具体的には、残業などの長時間労働を減らし、働く人それぞれの事情に応じて多様な働き方を選択できるようにするというものです。
また、正規社員と非正規社員の待遇差の改善や、パワーハラスメント(パワハラ)・セクシャルハラスメント(セクハラ)の防止なども盛り込まれています。

 

40代女性と働き方改革関連法

ここでは、働き方改革関連法の中でも、特に40代女性に関わりのある部分をピックアップしました。

長時間労働の是正

「日本人は働き過ぎ」とよく言われますが、特に近年では人手不足もあって毎日何時間もの残業を行うのが当たり前のようになっていました。
ひとり分の仕事量が多いため、時間外労働のほかに休日出勤を要請されることも珍しくありません。

しかし、このような働き方では心や身体の健康を損ねてしまうほか、最悪の場合は過労死という形で労働者の命を奪うこともあります。

そこで、働き方改革関連法では、残業時間は原則、上限が月45時間、年360時間と規定し、それを超えて働かせた企業には、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金という厳しい罰則が与えられることになりました。
臨時的な特別な事情がある場合でも、年720時間、単月100時間未満(休日労働を含む)、複数月平均80時間(休日労働を含む)を限度とし、月45時間を超えることができるのは、年間6か月までとしています。

多くの企業で長時間労働の見直しが進めば、周囲に気を使わずに堂々と定時に帰れるようになります。今まで残業に費やしていた時間を、自分で自由に使うことができるようになります。
また、育児や介護を抱える40代女性にとっては、いくぶん負担が軽くなる可能性があります。

 

時季を指定した年次有給休暇の付与

「年次有給休暇」とは、取得しても賃金に影響を与えない休暇のことですが、労働基準法第39条により、雇い入れの日から6カ月間継続して全労働日の8割以上出勤した労働者に付与することが企業に義務付けられています。
これは、正社員だけではなく、契約社員・パート・アルバイトなど、条件を満たす「全労働者」が対象となります。

しかし、昨今の日本の年次有給休暇の取得率は50%前後と言われ、世界的に見ると低水準で推移しています。それは、「皆が忙しい思いをしている時に自分だけ休めない」といった日本人独特の周囲への気づかいが原因のひとつとして挙げられます。

そこで、働き方改革関連法における労働基準法の改正では、付与された年次有給休暇のうち1年以内に5日分を時季を指定して、確実に取得させることが義務化されました。

この改正により、企業は計画的に年次有給休暇日を割り振り、労働者は対象日に必ず有給休暇を取得できることになったため、堂々と休むことができます。

 

正規と非正規の待遇差の改善(同一労働同一賃金)

日本では年々、非正規雇用労働者(パートタイム労働者、契約社員、派遣社員、アルバイトなど)が増えていますが、それに伴い社会的格差も広がっています。

たとえば、30代後半から40代で結婚や出産を機に会社を辞め、その後再就職しようと思った時、正社員の求人は数えるほどしかありません。やむなく契約社員や派遣社員で働き始めたとしても、あまりにも大きい正社員との待遇差に愕然とします。

どんなに能力があっても賃金は正社員より低く抑えられ、賞与や退職金はなく、福利厚生の面でも雲泥の差があるというケースが殆どです。また、契約期間が終了すれば、そこで雇い止めになるかもしれないといった不安が常にあります。

今回の働き方改革関連法では、非正規雇用労働者と正規雇用労働者の間の不合理な待遇差が禁止され、「同一労働同一賃金」が推進されています。

また、従来は正規雇用労働者のみに行われていたキャリアアップ支援や教育訓練を、すべての労働者に対して行なうとされています。

まだまだ不十分とは言え、この流れが加速すれば、非正規雇用で働かざるを得なくなってしまった40代女性にとっても、少しずつ働きやすい環境になって行くかもしれません。

 

多様な就業形態の普及

働き方改革関連法では、多様性(ダイバーシティ)を推進しています。

日本では永らく「1日8時間労働・週5日勤務」といった働き方が一般的に行われて来ました。しかし、さまざまな事情から、このようなパターン化した働き方ができない場合もあります。

特に、子育てや親の介護などを抱えた40代女性の場合、平日の午前8時から午後5時までといった決められた時間での働き方は無理でも、「時間をずらしたり短時間勤務なら可能」、「週4日勤務なら可能」ということもあります。

また、最近では「テレワーク(在宅勤務)」という勤務形態を導入する企業も増えています。
テレワークなら、通勤する必要もなく、勤務時間もある程度自分で決められるので、何らかの事情を抱えていても働きやすくなります。

このように、ダイバーシティの考え方が推進されれば、個々人に合わせた柔軟な働き方が可能になるので、今までは諦めていた職種にチャレンジして能力を発揮することもでき、仕事のやりがいや収入アップにもつながります。

 

ハラスメントの防止

ハラスメントとは、言葉や行動が相手の尊厳を傷つけたり、不快にさせたり、脅威や不利益を与えることを指しますが、近年では職場でのハラスメントが増えています。

上下関係を利用して行われるパワーハラスメント(パワハラ)、性的な嫌がらせを行うセクシャルハラスメント(セクハラ)、妊娠・出産に関する嫌がらせや不当解雇を行うマタニティーハラスメント(マタハラ)などがありますが、いずれも40代女性にとっては脅威になります。

そこで、働き方改革の一環として2020年6月1日(中小企業は2022年4月1日)より、労働施策総合推進法等の改正法が公布され、職場におけるハラスメント防止対策が強化されました。

この法律により、企業側に相談窓口の設置や事実確認、再発防止対策が義務化され、行政の勧告に従わなかった場合は、企業名が公表されることとなりました。

このように、性別や年齢、労働形態、生活環境にかかわらず、すべての人が働きやすい環境が少しずつ整えられつつあります。