慢性的な疲れは早めに改善を!
現代の40代女性を取り巻く環境は、とてもハードなものがあります。仕事、家庭、人間関係、経済問題などに振り回され、気が付けば心も体も疲れきっているということも珍しくありません。
すぐに回復すれば問題ありませんが、いつまでも疲れが取れない時は、その原因をさぐり早めに改善するようにしましょう。
疲れとだるさの原因は?
「何となく疲れている」「だるくて何もやる気が起こらない」といった症状が続いている場合、まずは普段の生活を見直してみましょう。
原因がわかれば改善することもできますが、時には何らかの病気が隠れていることもあるので、注意深くチェックしてみてください。
●睡眠不足
睡眠中は、脳と体を休ませ、傷んだ部分を修復するという重要な時間です。必要な睡眠時間は個人により異なりますが、40代の場合は6時間から7時間はとりたいところです。 疲れやだるさが続いている場合は、睡眠時間が足りているかどうか、見直してみてください。
●栄養不足
食事の栄養バランスが偏っていると、疲労感やだるさを引き起こします。特にビタミンB1、ビオチン、ナイアシンなどのビタミンB群の不足は、エネルギー代謝がスムーズに行かなくなるため、疲れとして体に残ります。
●過労の蓄積
仕事や家事、子育て、介護などで頑張りすぎてないかどうか、チェックしてみてください。過労の蓄積は、慢性的な疲労感やだるさにつながります。
●筋肉疲労
仕事での肉体労働やスポーツ、筋トレなど、単なる筋肉疲労でも回復する余裕がなければ、疲労物質である乳酸が体内に溜まり、慢性的な疲れやだるさとして現れてきます。
●環境の変化
転職や移動、引越しなど、職場や家庭で大きな環境の変化があった場合、新しい環境に慣れるまでは心身の疲労感がいつまでも残りやすくなります。
●気候の変化
季節の変わり目など、気候の変化によって疲れやだるさが続くことがあります。温度や湿度、天気が目まぐるしく変わり、自律神経が乱れやすくなるためと考えられています。
●人間関係によるストレス
家庭内のトラブルや仕事関係のトラブル、さらに近年ではネット上でのトラブルなどが起き、さまざまなところで人間関係によるストレスが発生します。身体的な疲労がなくても精神的なストレスの継続は、疲れやだるさを引き起こします。
●病気がある
疲れやだるさがいつまでも回復しなかったり、悪化しているように感じる場合は、何らかの病気が隠れている可能性があります。疲れやだるさの他に、発熱や発汗、むくみ、動悸、体重の変化、皮膚の変化、便や尿の異常などがないかどうか、チェックしてみてください。
病気が原因の疲れやだるさ
疲れやだるさを伴う病気には、次のようなものがあります。
●糖尿病
疲れやだるさのほかに、のどが渇きやすい、甘いものが食べたくなる、尿が泡立ち量と回数が増える、皮膚のかゆみや化膿しやすくなるなどの症状があらわれます。
●風邪
全身の倦怠感とともに、発熱や咳、のどの痛み、鼻水などの症状があらわれます。この場合、風邪が治ると疲れやだるさも回復します。
●貧血
疲れやだるさのほかに顔が青白かったり、むくみや動悸、息切れなどの症状がある場合、貧血の可能性があります。鉄欠乏症貧血による貧血なら、鉄剤の服用で改善します。
●シェーグレン症候群
継続的な疲労感のほかに、唾液が出にくくなるドライマウスや、目がゴロゴロして涙が出にくいドライアイなどの症状があらわれます。
●急性腎炎
疲労感のほかに、朝起きると顔がむくんでいたり、タンパク尿・血尿が出る場合は、急性腎炎の可能性があります。早めに専門医を受診しましょう。
●急性肝炎
急激な疲労感とだるさに伴い、食欲不振、吐き気、悪寒、発熱、黄疸などの症状が出た場合は、急性肝炎が疑われます。この場合は早急に治療が必要です。
●軽いうつ病
体が重く感じ、何もやる気がおきない、食欲がない、眠れない、急に痩せてきた、または太ってきた、などの症状がある場合は軽いうつ病の可能性があります。
●その他
その他、疲れやだるさを伴う病気として、膠原病、白血病、低ナトリウム血症、重症筋無力症、更年期障害、何らかの内臓系の病気などがあげられます。
慢性的な疲れを改善する方法
慢性的な疲れをそのままにしておくと、疲労感のほかに、微熱や不眠、頭痛、首のリンパ節の腫れ、のどの痛みや腫れなどの症状が出てくることがありますが、これを「慢性疲労症候群」と言っています。
血液検査や精密検査を行っても特に異常がないため軽く捉えがちですが、体や心に何らかの負担がかかっているのは事実なので、他の病気を引き起こさないためにも、疲れやだるさを早めに改善して、さわやかな毎日をおくるようにしましょう。
慢性的な疲れを改善するには、次のような方法があるので、参考にしてみてください。
●休暇をとる
疲れやだるさを改善するには、休暇をとって体や心を休ませることが大切です。仕事をしている40代女性の方は難しい面もありますが、思い切ってまとまった休暇を取りましょう。
毎日、家事や育児、介護などに追われている方も、家族の協力を得たり公的な支援サービスなどを利用して、数日間ゆっくりと休みましょう。
●疲労回復に良い食品を摂る
体の中から疲れやだるさを改善するには、栄養バランスの取れた食品を摂ると効果的です。特にビタミンB1を多く含む豚肉、レバー、うなぎ、大豆、ごまなどは疲労回復を促進します。
また、アリシンが含まれるニンニク、ニラ、ラッキョウ、長ネギなどのほか、クエン酸が含まれるグレープフルーツ、みかん、梅干、レモン、お酢なども疲労回復に効果があります。
●ゆっくりと入浴する
少しぬるめのお湯(38~40℃くらい)にゆったりと浸かると、副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスします。全身の血行も良くなるので、疲労回復も早まります。
また、神経の緊張もほぐれてくるので、就寝時には自然に眠くなるというメリットもあります。
●質の良い睡眠をとる
疲れやだるさを改善する最良の方法は、質の良い睡眠をたっぷり取ることです。睡眠中は、全身がリラックスして傷ついた部分の修復や疲労回復が図られるからです。
40代女性の場合、睡眠時間は6時間から7時間が理想的ですが、疲れていると感じる時は、もう少し長くとってみましょう。寝具や就寝中の照明などを見直して、ゆっくりと休息できる態勢を整えるのも質の良い睡眠をとるコツです。
●軽い運動をする
疲れが溜まっているときの運動は、よけいに疲れそうで気が進まないこともありますが、無理のない軽い運動なら、全身の血行を良くし老廃物の排出も促進されるので、疲労回復につながります。
また、新鮮な酸素が脳に送られるので、頭がスッキリし、ストレスも軽減されます。軽いウォーキングや、ゆっくりとした動きのヨガなどもおすすめです。
●ハーブティーを飲む
体に疲れが溜まっていて重く感じたり、神経がピリピリしているときは、ハーブティーを飲むのもおすすめです。心身がリラックスして、疲労回復を促します。
ビタミンCやクエン酸が豊富なハイビスカスティー、血行を促進するセージ、ビタミン類が豊富に含まれるローズヒップ、新陳代謝を促進して自律神経を整えるジンジャー、不眠改善に役立つレモンバームなどがおすすめです。
●自然に触れる
森の中や山の中を歩いて新鮮な空気を吸うと、心身がリフレッシュして疲労回復につながります。特に森林浴は樹木から発散される芳香性物質「フィトンチッド」により、ストレス解消効果や免疫力を高める効果があるとされています。
遠くまで出かけなくても、樹木のある公園や野道を散歩するだけでも同じような効果が得られるので、おすすめです。季節の花を見てまわったり、鳥の鳴き声に耳を傾けるのもリラックス効果があります。
●マッサージをする
マッサージは、こりかたまった筋肉をほぐし、血液やリンパの流れをよくすることができます。その結果、緊張が緩和され、リラックス効果が得られるので、疲労回復へとつながります。
マッサージを行うのは、体が温まっているお風呂あがりやお風呂に入っている最中に行うと効果的です。また、身体の末端から中心部の心臓へ向かうように行うのがコツです。
【参考書籍】
疲れない大百科 – 女性専門の疲労外来ドクターが教える – (美人開花シリーズ)
調子いい! がずっとつづく カラダの使い方 (Sanctuary books)